マットレス

エイプマンパッドの全てをプロ目線でレビュー

謎に包まれたエイプマンパッド

皆さんは高反発マットレス業界にきらめく新星のごとく現れたエイプマンパッドをご存じでしょうか?意味の分からないブランド名、猿が背伸びする不思議なロゴ、ユーザーを不安にさせる取扱説明書、何の実態も見えない販売会社ティレックス。

↑不思議なロゴ
↑不安にさせる説明書

そんなハンデばかりを抱えながらも高反発マットレス業界で6年に及び販売が続いてきたエイプマンパッドは、今や楽天市場でレビュー2,000件を超え評価も上々となっています。前述のハンデをものともしないエイプマンパッドって何なんだろう。

この記事は、エイプマンパッドのマットレス興味がある人、買おうとしてる人、売れ方に疑問を持ってる人全てに、寝具のプロの私が英知を結集してアンサーとなるよう努力する記事となっております。

エイプマンパッドのマットレスの全て

エイプマンパッドの歴史をざっと振り返りますと、まず第一弾として厚み10cmの三つ折りマットレス「310」が2014年5月に発売されました。この三つ折りマットレスはマニフレックスのメッシュウィングに見た目も性能も酷似しているのに価格が3分の1程度ということで、ポッと出のマットレスメーカーが発売した商品とは思えないヒットとなりました。

次に販売されたのが今は存在しない厚み4cmのトッパータイプマットレス「PAD4」です。こちらはすぐさま廃盤になったので人気はそれほどでもなかったのでしょう。

その後、厚み9cmのマットレス「PAD9」と厚み5cmのPAD4の後継ともいえる「PAD5」が登場し、最後に厚み7cmの三つ折りマットレス「307」が発売されました。
それではそれぞれのマットレスのスペックを詳しく見てみましょう

310 シングル価格 厚み 密度 反発力
14,500円(税抜) 10cm 30D 170N

307 シングル価格 厚み 密度 反発力
12,500円(税抜) 7cm 30D 170N&120N

PAD5 シングル価格 厚み 密度 反発力
9,080円(税抜) 5cm 30D 170N&120N

PAD9  シングル価格 厚み 密度 反発力
13,500円(税抜) 9cm 30D 170N&120N

頭に「3」のつくものが三つ折りのマットレスで「PAD」とつくものが一枚物のマットレスという分かれ方で、310を除く商品は全てリバーシブルで硬さの違う仕様となっています。つまり、加工のされていない平面で寝ると170Nの硬さで、プロファイル加工というボコボコ加工がされている面で寝ると120Nの硬さになるということです。

エイプマンパッドの使用感

私はエイプマンパッドの4種類のマットレスをある程度長いこと使用したことがありますので、それぞれの使用感を書いていきます。参考データとして私の身長は170cm55kg~60kg程度です。

310を3年間使ってみた私の使用感

エイプマンパッドが初体験となる私は、エイプマンパッドの中で最も売れているであろう310のシングルを手始めに購入しました。梱包状態が異常に小さく、届いた当初はマットレスとはわかりませんでした。梱包状態のサイズとしては40cm×40cm×50cm程度の大きさです。いざ開封してみるとボボンっと見慣れた三つ折りマットレスに復元します。レビューによく書いてある匂いは特に感じませんでした。ウレタン特有の匂いに私が慣れているということも理由の一つかもしれません。

横になってみた最初の感想は意外と柔らかいということです。しかし柔らかすぎるわけではなく腰のホールド感、肩甲骨と肩甲骨の間が埋まっている感覚があります。シーツこそ一枚かけていましたが、三つ折りのつなぎ目が気になるかもしれない(実際には気になってない)ということで、夏は吸汗パッド、冬は起毛パッドをつけることにしました。

私の場合、フローリングに直置きで使用していましたのでカビの発生を恐れ毎朝三つ折り状態にしておいたり、たまに三つ折り状態を更に立てかける感じにしました。実際にエイプマンパッドのウレタンは通気性が高いのか、朝マットレスを置いていた部分を触るとしっとりと湿っている感覚があるときもありました。

それでも除湿シートなどは使わず3年間カビを発生させることなく使えたので、それほど手がかかるマットレスではないと言えます。シーツやパッドをつけたまま三つ折り状態にもできますしね。

それで肝心の体の調子と睡眠の質はどうかというと、元来腰痛を持ち合わせていませんので3年間使用しても腰痛の発生は起こらなかったことから、腰痛を誘発するような商品ではないと言えると思います、少なくとも私にとっては。また睡眠の質ですが、寝つきはかなり早くなったように思います。310に仰向けになって寝てから10分後の最初の寝返りが最高に気持ちいいのですが、その気持ちよさにかこつけて眠ってしまう感じです。

307を3ヵ月間使ってみた私の使用感

310で味を占めた私はリビングで横になるように、310よりも軽く扱いやすそうな307のシングルを購入しました。厚みは7cmに抑えられているものの私程度の体重では底付感なく使えます。

307を持つと310ほどの重量感がなく、少し心配になりますが寝てみると何の違和感もありません。また307はリバーシブル使用で寝心地が違うのですが、プロファイル面で横になるのが非常に気持ちいのです。思わずボコボコ加工の一つ一つを指でなぞってしまう気持ちよさです。軽くて収納しやすいのでお年寄りや女性にぴったりの商品だと思います。

所有期間は1年以上になりますが、実際使う頻度がそんなにないので3ヵ月間という表記にしていますがこれからもリビングで愛用することになるでしょう。

PAD5を1年間使ってみた私の使用感

307のリバーシブル加工に味を占めた私は、メインの寝室も310からボコボコ加工に変えたいと考えました。そして307よりも更に軽いPAD5を選択するに至ったのです。厚みはさらに5cmに引き下がり、重量もそれなりに減ったように感じました。

また肝心の寝心地も5cmと思えないホールド感と底付感の感じにくさ(横寝は多少感じる時もある)を併せ持っていますし、何より値段が1万円を切る安さです。PAD5は確かに軽く、しかも側地が薄く作られているからなのかボコボコ加工の主張を激しく感じられる素晴らしいマットレスだと思いました。

しかし、PAD5は三つ折り形状にするのが非常に面倒くさい、あくまでも1枚物のマットレスなのです。エイプマンパッドの販売元ティレックスにこの件を問合せしました。スマートに三つ折りにするにはどうすれば良いのか?と。彼らの回答は三つ折り形状にしたPAD5の上に、まくらや畳んだお布団を載せればある程度の癖がついて三つ折りしやすくなるということでした。

彼らの言う通り1週間ほどで確かに癖をつけることに成功しましたが、三つ折りの310や307に比べて毎朝の片づけが面倒なのです。片づけにかかる時間こそそんなに変わらないと思いますが何か面倒なのです。私は耐えきれず新たな道を模索することにしました。

PAD9を2年間使ってみた私の使用感

ボコボコ感を追い求めるために、307をメインに使うかそれとも他の選択肢を探すべきか。私はPAD9という商品に非常に惹かれるものがありました。いっそのこと片づけしなくてもよい環境を作ろうと思い、スノコの安いベッドフレームとPAD9のシングルを購入しました。

PAD9はPAD5の厚みが9cmになっただけの商品ですが、その寝心地は素晴らしいものがありました。横寝になろうが何をしようが底付感のないリッチな寝心地とボコボコ加工がたまりません。パッドを使ってしまうとボコボコ感が感じられなくなるので、夏はPAD9にシーツをかけて使用し、冬は310に起毛パッドをつけて使用することにしました。

スノコのベッドフレームにしたことでカビの心配がなくなり、毎朝片づける必要もなくなりました。かれこれ2年くらい使っていますが、310もPAD9も少しもヘタれることなく使えているのがエイプマンパッドの恐ろしさではないでしょうか。

エイプマンパッドが売れる理由その1

エイプマンパッドの公式サイトを見たことありますか?
https://www.apemanpad.com/
いきなりゴリラがドアップで背伸びしてるし、すぐに目に入ってくるのが「90日間チャンスを下さい」というテキストです。 マットレスについてくる説明書といい、ロゴといいエイプマンパッドは徹底して突っ込みどころを提供してくれます。

ちなみに販売元のティレックス株式会社の公式サイトを見たことありますか?
http://trext.tokyo/
もう本当に意味が分かりません。流れる景色になにか暗号でも隠されているんでしょうか?

何か自分のライフスタイルや健康状態を変えたいと考えている人が商品を買うときって買う相手のことをよくよく調べると思うんですよね。そして、相手の素性や企業としての信頼感を元に商品を買う結果に繋がると思ってるんですが、エイプマンパッドって素性や信頼感がゼロなのにマットレスという最も素性と信頼感を必要とする場で売れてるということになります。

売れている理由の一つは、会社の素性の公開は大事にしていないのにマットレスのスペックの素性に関しては徹底して公開しているというのが挙げられると思います。例えば高反発マットレスに重要な密度のデータを、エイプマンパッドは第三者機関の証明書付きで掲載してるのです。これって簡単なことのはずなのに、これをやらないマットレスメーカーが8割くらい占めてるんですね。というかエイプマンパッドが登場する以前は、密度の表記をするメーカーはほとんどなかったと思います。

寝具業界ってスペックを詐称したりまたは非公開にしがちな側面があります。例えば羽毛布団も羽毛製品協同組合みたいな組織が、羽毛布団の性能を正しく評価するためにゴールドラベルなんかの規定を作っていますが、詐称したスペックで品質推奨ラベルをゲットしてその後詐称がバレて剥奪されるということが何度もあります。それで剥奪された側が自分たちで新しい基準を作ったりすることもあるんです。

そんな秘密詐称大好きな業界において、データに関してだけは正直なエイプマンパッドが評価されたという一面は売れた理由の一つになると思います。

エイプマンパッドが売れる理由その2

エイプマンパッドは理由その1でも述べた通り、販売する側の信頼度がゼロの状態で販売を開始しました。その信頼度はエイプマンパッドは返品保障というサービスで担保することにしたのです。返品保証サービスとは一定期間使った後でも気に入らなければ返品、返金を受けられるサービスです。

本来マットレスを販売する側にとって、返品自体はありがたくないはずです。しかもマットレスという衛生商品ですから一定期間他人が使用したものが返品されてきても転売することも適わないはずです。エイプマンパッドは、公式サイトでも述べている通り、この返品自体をネガティブに捉えることなく、むしろユーザーに積極的に返品保証を使ってほしいとアピールしています。

この返品保証があるおかげで、販売する側の素性や信頼度がなくともユーザーはマットレスという繊細な商品を気軽に購入することができるのです。

また、この返品保証をつけての販売はマットレス業界に広がりつつあります。知名度も信頼度もない新進気鋭のメーカーや老舗のメーカーまでもが、純粋に自分たちの商品の良さだけを引っ提げて返品保証つきで販売するケースが増えているのです。

エイプマンパッドが売れる理由その3

エイプマンパッドが売れる理由その3は過去形のお話になります。それはエイプマンパッドが販売された当時、そのスペックに反してエイプマンパッドのマットレスの価格は破格の安さでした。

先述した通り、ほぼ同じスペックのメッシュウィングシングルが31,350円だったのに対し、現在は値上げされたもののエイプマンパッドは当時11,636円での販売価格でした。また、返品保証付きとなしで大きく価格を買えるなど斬新な販売戦略も功を奏していたようです。

なぜこの理由が過去のものとなったのか。それは同じスペックの同じ価格帯の高反発マットレスが徐々に増えてきたからです。私が公開したランキングにもあるように、エムール社やタンスのゲンの高反発マットレス、GOKUMINなど高密度・低価格を実現したマットレスが登場してきました。

あくまでもエイプマンパッドがライバルとするのは、マニフレックスのメッシュウィングだと思いますが、今後はそうも言ってられない状況になってくるのではないかと思います。